水墨画における線の意味

水墨広場(Q&A)

前回、
水墨画における「点」の意味について
話しました。
今度、
水墨画における線の意味について
考えてみたいです。

「点」「線」に関して、
一切練習せずあるいは初心者の域を出ないレベルの描き方、
いい水墨画の作品として成り立たないでしょう。

きれいな線を描く先生を見ると、
非常に簡単に思われるようです。
とくに一瞬であらわしているわけで
余計そうのように思ってしまいます。
しかしその先生の筆を使ったら、
その線にはなりませんでした。

それをまったく意識せず何年間も
水墨画を頑張っている人がいます。
おそらく適切な指導をうけていなかった可能性が大きい。
あるいは指導者レベルでは線の重要性について
まったく考えていなかったかもしれません。

これが水墨画。
みんなの前で一瞬描いて簡単に思われてしまうが、
見えないところでその人(先生)が練習を重なってきたわけです。

では、なぜ線にこだわるのか、
次はある文字を例に挙げて説明します。

一波三折って何?

一波三折という言葉を初耳と思います。
単純な構成を避けて、
起伏に満ち変化があることを指します。
要は映画のようにストーリを作るのです。
シンプル、単純な構成だとつまらない印象を与えますので、
面白くないと思われないようにストーリーを作ります。

水墨画も同じです。映画と同じ、
作品として鑑賞されるものである以上、
構成を考えなければなりません。
そこで書の点画の話のように、
一波三折が登場します。

画数はストレートの一本だけですが、
画像のようにこう書けば変化が見られます。
単純な一本ではなくなります。
①と②と③という三つの要素(折)が入っていますね。

「公」という字のはらいに注目してください。

①と②と③の筆法はそれぞれ違うこと、
理解できます。
水墨画の線の考え方はこれに通じるわけです。
①と②と③の要素を抜くと、面白みがなくなります。

以上は線の説明(意味のある線)のために書を
例に挙げています。
実際「書画同源」「書画一致」という話もあるように、
古くから深い関係にあります。
「書画同源」「書画一致」を
認めない輩もけっこういるのですが、
けっかそれは水墨画として見応えないのも事実でしょう。

いい線を描けない、
という悩みがあったら
意味のある線を考え
描けるように練習するしかありません。

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