これはあまりにも有名な話です。
「論画以形似、見與児童隣」
北宋の文豪で、政治家、書家
詩人でもある蘇軾の絵画論。
何のいみなのか、
水墨画をやっているのにわからない人が
おおぜいいるようです。
水墨画に限らず
東洋美術、中国美術をやっている人にも
少なからずいるのではないのか。
「絵画を論じるのに形が似ているか否かのであれば
その見識は子供に等しい」
蘇軾(そしょく、1036-1101)
東坡居士という号から蘇東坡(そとうば)として知られます。
絵画活動や芸術制作において
もし形似(けいじ)かどうかの議論だと
その次元が低すぎて話にならない。
ヨーロッパの絵画は長い写実の歴史がありました。
つまり終始「形似」を目標としてきました。
抽象主義、表現主義などは
近代になってからです。
そういうことを考えると
水墨画は早い段階で「形似」という低次元を
脱却しています。
少なくとも11世紀の時点で形似を脱却して
抽象的、感情を表す考えを持つようになりました。
実際蘇軾よりも早く実践している画家がいるはずです。
水墨画は立派な芸術です。
しかし現にそういう認識で水墨画をやっている人は
多くないでしょうか。
彼ら/彼女たちは洋画のように必死に
写実的に描こうとしています。
残念ですが。
さらに水墨画に対して
写実性などを加えて洋画のように
分析している研究者も(様式史)います。
笑えないですが、
事実です。


